64ピンPICの半田付け

  以下は、64ピンのPICを秋月電子通商LQFP64ピン(0.5mm)変換基板に半田付けをする方法の例です。



ワニスでPICを仮止めする方法

1.PICの1番ピンと変換基板の1番ピンの方向を合わせます。すなわち、PICの表面にボッチ(凹み)があるので、それと変換基板の切れ欠きが同じ方向になるよう注意します。


2.PICのピンを変換基板のパッドに、きちんと合わせます。初めは目視で、最終的には、次の写真のようなルーペ(拡大率 10X を使用しています)で拡大して、きちんと合わせます。PICの細かい位置合わせは、ルーペで見ながら、細い針やリード線などでPICの端のピンを突っつくようにします。一番大事な作業ですので、妥協しないようにします。


3.以下の写真の矢印で示した箇所(PICの対角線上にあるピン付近2箇所)をエチルアルコールで適度に薄めたワニス(GE7031を使用していますが販売中止になったようです。エチルアルコールに溶けるワニスをお探しください。ワニスではなくフラックスですが、サンハヤトPラックスFZ-135があれば、それをエチルアルコールで薄めたものも使えます。また、以下に写真で示した半田付け用フラックスでも良いかもしれませんが、まだ試したことが有りません。)で止めます。ワニスを爪楊枝につけて、PICの対角線上にあるピンの少し外れた所に垂らします。そこからPICのピンへと、ワニスを爪楊枝で寄せて行きます。決して、爪楊枝でPICのピンに触ってはいけません。PICが動いてしまいます。そのまま最低30分は放っておき、乾燥させます。

以下の写真はエチルアルコールで薄めたワニス(GE7031)とPラックスです。

   


4.ルーペを用いて、PICのピンと変換基板のパッドが、きちんと合っていることを再確認します。合っていなければ、エチルアルコールでワニスを取り除き、上記項目3へ戻ります。確認できたら、以下の写真の矢印で示したように、2つのピン(ワニスで止めてないほうのPICの対角線上にある2つのピン)を半田付けします。なお、半田付けする前に、必ず半田付け用のフラックス(例えば、太陽電気産業のBS-75B)を半田付けするピンに塗ります。それから、半田付けをします。半田付けが終わったら、再度、ルーペを用いて、PICのピンと変換基板のパッドがきちんと合っていることを確認します。

ところで、私の使用している半田ごては、常盤商行株式会社が取り扱っているANTEX社の半田ごて(型番C)で、100Vで15W、こて先は(型番102)です。こて先は別売なので注意が必要です。

   

以下の写真は、半田付け用フラックス(太陽電気産業のBS-75B)とフラックス洗浄剤(太陽電気産業のBS-R20B)です。


5.エチルアルコールで、ワニスを丁寧に取り除きます。ワニスが残らないように注意します。


6.PICのピン一列に半田付け用のフラックスを塗った後、ピン一列を一挙に半田付けします。ピンとピンとが半田でつながっても(半田ブリッジができても)気にしないで、きっちり半田付けします。個人的には、半田ブリッジができるくらい、しっかりと半田付けしたほうが良いと思っています。


7.半田ブリッジを半田吸取線(幅1.5mm:これより太いものは適しません)で取り除きます。

具体的には、半田吸取線を半田付けした箇所(PICのピン)にあて、半田吸取線の上から半田ごてをあてて半田を取り除きます。半田を取り除いたからと言っても、PICのピンと変換基板のパッドの半田までは取れませんのでご安心を。


8.PICの残り3列も同様に半田付けし、半田ブリッジを取り除きます。ルーペを用いて半田ブリッジが取り除かれていることを確認します。


9.フラックスをフラックス洗浄剤で綺麗に洗浄します。


10.テスターで、PICの各ピンの付け根(以下の写真の①が例)と対応する引き出しラウンド(以下の写真の②が例)間の導通と、隣接するピン(①はそのままで③との間が例)との絶縁(0Ωでなければ良い)を調べます。64ピンすべてに関して、導通と絶縁が確認されれば作業終了です。



クリーム半田でPICを仮止めする方法

1.PICの1番ピンと変換基板の1番ピンの方向を合わせます。すなわち、PICの表面にボッチ(凹み)があるので、それと変換基板の切れ欠きが同じ方向になるよう注意します。


2.以下の写真の矢印で示した箇所(PICの対角線上にあるピン付近2箇所)をクリーム半田(aintendoのソルダペーストはんだ [XG-50]を使用しました)で止めます。クリーム半田は爪楊枝の先につけて使います。

   


3.PICのピンを変換基板のパッドに、きちんと合わせます。初めは目視で、最終的には、次の写真のようなルーペ(拡大率 10X を使用しています)で拡大して、きちんと合わせます。PICの細かい位置合わせは、ルーペで見ながら、細い針やリード線などでPICの端のピンを突っつくようにします。一番大事な作業ですので、妥協しないようにします。


4.クリーム半田を半田ごてで溶かします。なお、半田ごてでPICを動かさないように、PICのピンには半田ごてを当てないようにします。クリーム半田だけに半田ごてを当てます。


5.PICのピン全てに半田付け用のフラックスを塗った後、ピンを一挙に半田付けします。クリーム半田ではありません。普通の半田です。半田付けは、下の写真でPICの左右のピン列から始めます。その後、PICの上下のピン列(クリーム半田で止めたピンが含まれるピン列)を半田付けします。ピンとピンとが半田でつながっても(半田ブリッジができても)気にしないで、きっちり半田付けします。個人的には、半田ブリッジができるくらい、しっかりと半田付けしたほうが良いと思っています。

以下の写真は、半田付け用フラックス(太陽電気産業のBS-75B)とフラックス洗浄剤(太陽電気産業のBS-R20B)です。


6.半田ブリッジを半田吸取線(幅1.5mm:これより太いものは適しません)で取り除きます。

具体的には、半田吸取線を半田付けした箇所(PICのピン)にあて、半田吸取線の上から半田ごてをあてて半田を取り除きます。半田を取り除いたからと言っても、PICのピンと変換基板のパッドの半田までは取れませんのでご安心を。


7.ルーペを用いて半田ブリッジが取り除かれていることを確認します。


8.フラックスをフラックス洗浄剤で綺麗に洗浄します。


9.テスターで、PICの各ピンの付け根(以下の写真の①が例)と対応する引き出しラウンド(以下の写真の②が例)間の導通と、隣接するピン(①はそのままで③との間が例)との絶縁(0Ωでなければ良い)を調べます。64ピンすべてに関して、導通と絶縁が確認されれば作業終了です。


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